資金進行が機能しない理由:20 万回の模擬

ほとんどの「バカラ攻略法」は最後にひとつの考えに行き着きます。 負けたら上げ、勝ったら引く。マーチンゲール、ケーブル、1-3-2-4、ダランベール。 形が違うだけで中身は同じです。

そしてどれも機能します。たいていの夜は。だからこそ売れ続けます。

実際に流通している規則をそのまま走らせる

実在する資金進行を、数字を一切変えずに再実装しました:

結果は実際のバカラ確率(バンカー 45.86% / プレイヤー 44.62% / タイ 9.52%)、 バンカーには 5% のコミッション。20 万回の完全セッションを、 目標達成か資金ゼロまで走らせました。

結果

指標値
目標達成(+$1,000)79.08%
資金ゼロ($5,000 を失う)20.92%
1 セッション平均損益−$179
ベットあたり的中率50.11%
1 セッション平均取引高$14,791
実測損耗率−1.30%

5 回のうち 4 回は 1,000 ドルを持って帰ります。 効いているように感じる理由はこれで、 しかもその感覚は錯覚ではありません。79% は本物で、再現もできます。

そして 1 セッション平均は 179 ドルの損失。 これも本物です。

なぜ両方成り立つのか

勝ちと負けの規模がまったく非対称だからです:

0.7908 × (+1,000) + 0.2092 × (−5,000) = 790.8 − 1,046.0 = −$255

(模擬の実測は −$179 とやや良く、これは資金ゼロになるセッションで 最後のベットが満額に届かず、残高ぶんしか賭けられないためです。)

小さな勝ち 4 回では大きな負け 1 回を埋められません。 進行がしているのは勝率を上げることではなく、損失の再配分です。 「よく小さく負ける」を「よく小さく勝つ + たまに大きく負ける」に作り替えているだけで、 総量は 1 円も減っていません。

すべてを決めている数字

最終行を見てください:実測損耗率 −1.30%。

理論値との対照:バンカー 60%・プレイヤー 40% の混合期待値は −1.25%。模擬は −1.30%。

これがすべてです。 ベット額をどう並べても、いつテーブルを替えても、何連勝で引いても、 お金は取引高 100 につき約 1.3 の速度で消えていきます。資金進行が影響できるのは 取引高の増える速さだけで、ベット額を上げるということは、より速く、 つまりより速く負けるということです。

進行の設計が悪いのではありません。期待値は加法的です:

E[合計] = E[1 ベット目] + E[2 ベット目] + ... + E[n ベット目]

各項がマイナスです。どんな組み合わせも、どんな発動条件も、 「特定の罫線のときだけ賭ける」というフィルタも、どのマイナスを足すかを 選んでいるにすぎません。和は常にマイナスです。

資金を増やせばよくなるか

いいえ、むしろ悪化します。資金が大きいほど:

さらにテーブルリミットがあります。どんな倍賭け列もいつか上限にぶつかり、 その瞬間「いずれ取り返せる」という前提が一斉に崩れます。

自分で走らせてみる

トップページ上部のデモがこの規則そのままです。 「5,000 セッション早送り」ボタンを押すと、達成率が 79% 前後で安定する一方、 累計損益が下がり続けて戻らないのが見られます。

次に読む:本当の確率とハウスエッジ · 連はどれくらいの頻度で出るのか · バカラ罫線の見方 · バカラの 3 枚目ルール · マーチンゲールを止める二つの壁

よくある質問

マーチンゲールは本当に効かないのですか?

たいていの場合は小さく勝たせてくれます。その代償が、たまに来る大負けです。20 万回の模擬で 79% のセッションが利益で終わり、それでも 1 セッション平均は −$179 でした。よく勝つことと、お金が増えることは別です。

資金が十分に大きければ?

資金が大きいほど長く耐え、破産確率は下がりますが、1 ベットの期待値は変わりません。取引高が増えるぶん累計損失はむしろ増えます。テーブルリミットもどこかで倍賭けを打ち切ります。

本当に有効な賭け方はありますか?

期待値がマイナスのゲームにはありません。任意の賭け列の期待値は各ベットの期待値の和で、そのすべてがマイナスです。和がプラスになることはありません。これは経験則ではなく恒等式です。